タカナシズムな呟き

つぶやきの寄せ集め

「天国大魔境」を読んだ。

 

 


 ブログの方向性(?)がいまいち定まってないような気がするのは書いてる私が一番感じてることで。評論書いたかと思えば次は小説、今度はレビューって。なんせブログは初めてなもので、色々模索している途中でして、温かい目で読んでもらえればと。というか批判が来ても気にせずに自由に書き続けるわけなんだけれど。


 フォロワーのみんなにはこの話題が続いてるせいで鬱陶しがられてると思う。でも何度も話題にしてしまうくらい私の中では衝撃的な作品だったと、そういうことなので許してね。


 タイトル通り「天国大魔境」という漫画を最近読んだ、という話。一気読みした日はTwitterの呟きの全てに「天国大魔境」のワードが絶対入っているというくらい一人で盛り上がっていた(TL荒らしてごめんなさい)。あれからだいぶ時間が経ったから今日はもう少し落ち着いて話せると思う。


 いやほんと、文字通りの衝撃だったなぁ...。「このマンガがすごい」で一位に取り上げられてた時は「ああー、石黒先生の漫画だー」くらいにしか思ってなかったけど、実際読んでみたらこれは本当にすごいぞと、これも文字通りになった(文字通りすぎる)。


 元々作者の石黒正数先生は「それでも町は廻っている」で知っていたけれど、この作品とはまた別次元のとんでもない作品が生み出されていたとはつゆ知らず。このテレビアニメが始まったタイミングまで読んでなくて本当にごめんなさいって気持ちがいっぱい。


 ただ今回に限ってはもっと早く読んでいれば良かったという気持ちにはあんまりなってない(おい)。多分最初の1、2巻までしか出てない時に読んでいたとしても、独特の世界観に慣れることができなかったと思うからだ。結果「不思議な話だった」というところでリタイアしていたかも。今までにも序盤の展開がよく分からず読むのを一度止めてしまった作品というのはいくつかあったし、ここまであっためていたのは逆に幸運だったかもしれない。


 売れ筋な漫画って序盤に大きな転機を迎える話が多いと思うんだ。「鬼滅の刃」「進撃の巨人」「【推しの子】」とか...。思い当たる作品はたくさん浮かぶでしょう。そういう意味ではこの記事に書かれている「漫画連載は最初の3話で決まる」というのも納得できる。そもそも3話までが面白くなかったら読まなくなるもんね、そこで。

https://originalnews.nico/354330


 ということはだ、「天国大魔境」はこの初速が少し弱かったばかりに、さっきあげたような一線級で売れている漫画群から外されてしまった可能性がある。実際、私も最初読んだ時は頭の中に大きなクエスチョンマークがあった。1、2巻までで途切れていたら、読者の心を掴まえるには難しい構成になっていたと思う。SFとか独特な世界観の話だと特に入り込むのが困難だろうし。


 同じ作者の前作「それでも町は廻っている」にもあった、時系列がぐちゃぐちゃな構成が今作でも特徴の一つになっていて※、最初に結末を持ってきたり、違う場所違う場面を行ったり来たりしたり。それで読者を惑わせて、最終的に途切れ途切れだった点と点を結ばせるという感じ。伏線回収っていうのとはちょっと違うのかもしれないけど、感覚的には同じものがある。だから序盤がよく分からないとなるのも仕方ないといえば仕方ない。


※知らない人がいたらごめん、もし良かったらこっちも読んでみて。天国大魔境より明るくて楽しい漫画になってる。


 なるべくネタバレに配慮したレビューなんだけど、やっぱり世界観とか雰囲気どんな感じなのか気になる人がいると思うので、これだけはあらかじめ書いておこうかな。「進撃の巨人」「メイドインアビス」並に残酷だと思ったよ。なんだろう、倫理観が著しく欠如した世界なせいか、他のどんな鬱展開よりも鋭利が増してるというか。人がばっさばっさ殺されるっていう描写は少ないくせに、それでも恐怖を感じるから相当残酷だね。SFなうえ、漫画で描かれてない部分を推測していくものもあるんだけど「もしこれがこうだったら...」みたいな、意味が分かってくると絶望する展開に読んでてずっとメンタル抉られてた。


 もともとあんまり暗い話は好きじゃなかったんだけどね。水星の魔女とか今アニメでもやってて面白いって聞くんだけど、どうも残酷描写があったりらしくて、怖くてちゃんと観れない。やっぱみんな笑顔になれる話が平和で楽しいじゃんって思う人だから。本棚に並んでるのもそういう漫画ばかりだし。


 でもやっぱりここまできたなら...って気持ちもあって、天国大魔境だけは本棚に迎えることにしました。まだ謎が残ってる部分もあって。最初ぐちゃぐちゃだったジグゾーパズルのようやく外枠が埋まり。真ん中の絵もぼんやり見えてきたっていう、今はそんな感じ。最終巻でそのピースも全部埋まるのかどうか、追いかけていきたい所存。


 この衝撃は「STEINS;GATE(シュタインズゲート)」というゲーム作品でも似たものがあったよ。ある種ゲームはクリアすることに意義があると考える人もいるわけで、どれだけ面白くなくとも最後までは遊んでみようと思うプレイヤーも少なからずいた中で、その数少ないプレイヤーがネット掲示板を通じて絶賛していたから、周りの人も「そんなに面白いなら最後までやってみようか」と徐々に有名になっていったらしい。あれから10年以上が経ったわけだけど、今や一人の呟きがSNSを通じて影響を受けやすい時代になったのだから、ここでこうやって「天国大魔境」は面白いぞ、と言うのは、私が思ってる以上に大きな力が持っていると思う。そういうわけでまだこの漫画を読んだことがないよという人はぜひ読んでみて。8巻まで出ていて、できれば一気読みがおすすめ。ちょうど今テレビアニメも放送中なので気になった人はチェックしよう。作画、演出、めちゃくちゃ良いです。唯一の欠点は見逃したらディズニープラスでしか見れないところ。

https://youtu.be/Sld5uW_BJU4